「おはようございます、親父さん。」
「グララ、今日もちゃんと来たな、。」
けれど怪我をした当初は隙あらば皆を手伝おうとしていたのだ。・・・もちろん親父さんに伝わっていないはずもなく、怪我をして2日後には怪我の状態が落ち着くまで、毎朝起きたらすぐに親父さんの下に行くという約束を取り付けられてしまって。怪我をしていない普段なら、嬉々として守る約束だけれど、迷惑をかけると分かっているのに・・・。でもやっぱり守らない訳にはいかないから今日も親父さんの下へと行けば、
「その様子だと今日もドクターの所に行ってたみてェだな。」
「 う、あの、・・・はい。」
いつものように親父さんからそんな言葉をかけられて、決して咎めるような色は含まれてないのだけれど、返答に言葉を詰まらせてしまった。親父さんの言うとおり、こうしてここに来る前に、今日こそは、と勇んで毎朝ドクターの所へと通い詰めているのだ。少しでも良くなっている事を願いながら・・・けれど、案の定結果は、
「グラララ、なんだ、そんなにこの島で遊びたかったのか?」
「ほら、ここに座れ。」 あからさまに落ち込んでいる俺の声に親父さんは優しく笑ってそんな言葉をかけてくれながら、隣に座るように促してくれる。漸くまともに使えるようになった松葉杖を使いながら、そこに座って親父さんに遊びたい訳ではない事を伝えた。
そう、今俺達は島に上陸しているのだ。それもこれも怪我をした俺のために、揺れる海よりも島の方が楽だろうと親父さんを含め、皆が気遣ってくれたからで。( 駄目だとは思いながら、嬉しい、なんて思ってしまって。)
「遊びたくない、って言えば、嘘になりますけど、」
「 その、島に上陸したら、いつもやってるおつかいが、できないなって思って、」 あれほど皆に手伝うなと言われても、習慣となっているものをしないのはやっぱり落ち着かなくて。それも親父さん関係の事だから尚のこと。でもやっぱり、無理をするなと言われている手前、その言葉を紡ぐ声は少なからず弱くなってしまって。
「・・・まったく、これだからバカ息子は。」
思いの外長引くらしいその怪我にそっと手を這わせていると、親父さんからそんな言葉が降ってきた。・・・呆れられてしまっただろうか、「 ええと、あの、」 親父さんの顔を見るのが怖くて下を向いていると、足に置いていた俺の手の横に親父さんの大きなその手がゆっくりとそっと触れてきて、「 親父、さん?」
「グラララ、怪我っつうのは急いで治すもんじゃねェぞ?」
「たまには大人しく家族の世話になっとけ。」 ただでさえ、お前は迷惑をかけまいと黙って1人で片付けようとするからなァ。 怪我をしていない俺の足をぽんぽんと優しく撫でてくれた親父さんの方へと顔を上げれば、そこには笑みを浮かべた親父さんの顔があって。
親父さんの言葉に返答しようと口を開いたのだけれど、すぐにある事に気付いてその言葉を飲み込んだ。迷惑をかけたのでは、という言葉は今まで散々親父さんに紡いできた。今だってもちろん思っている、だから早く怪我を治そうとしているのだ。・・・でも、そうやって迷惑をかけている事を謝るよりも、(親父さんに言われるまで、ずっとその言葉を言い続けてしまっていたけれど、)
「 ありがとうございます、親父さん。」
「グラララ!なァに、それが家族ってもんだ。」
こうやってお礼を言った方が親父さんも皆も嬉しそうな顔を見せてくれるから、俺は皆と同じような顔をしてその言葉を紡ぐのだ。それに続けて、俺を気遣ってくれる事が嬉しくて、つい、怪我が治ったら、俺もまたみんなをたくさん手伝いたいという事も親父さんに伝えれば「・・・お前ってやつは、」なんて言葉と一緒に苦笑をもらってしまった。
「すみません、あの、何もしてないのが、やっぱり何だか落ち着かなくて。」
「グラララ、ったく、言ったそばからこれだからなァ。」
「まァ、らしいと言えばそうだが。」 俺の言葉に笑いながらそう言った親父さんは俺の足に触れていた手を俺の頭へと置いて優しく撫でてくれた。すると、親父さんがもう片方の手をゆるりと顎の方へと滑らせ、何か考えるような素振りを見せる。どうしたんだろうとその様子を見ていれば、「グララ、 そうだな、、」
「??はい、何ですか?」
「少しばかり、手伝ってもらいてェ事があるんだが、」
「っ!俺にできる事があれば、何でもやりますっ。」
「グラララ!まだ何も言ってねェのに、ったく。」
親父さんから手伝いを頼まれた事が嬉しくて、つい親父さんの言葉にかぶせてしまう勢いで返事をしてしまって。今にも怪我をしている足も使って思いっきり立ち上がろうとする俺を、落ちつけと言わんばかりに親父さんは再度俺の頭を撫でながら、そのお手伝いの内容を教えてくれた。
なんでも、この島には親父さんが昔からよく知っているおじさんがいるらしい。この島に寄ると酒を片手にその人の家を訪ねているそうなのだけれど、「そのバカ野郎にな、」
「っつう、大切な愛しい俺の息子を紹介してェんだが、」
「一緒に来てくれるか?」 俺の頬へとゆるりと手を滑らせて、楽しそうな笑みを浮かべた、愛しくてたまらない、大切な親父さんが頼んでくれたそのお手伝いを、さっきも言ったように、もちろん俺は、
甘くとろける終わらない気持ち
う、あのっ、親父さんっ、じ、自分で歩けますから!ほら、俺、松葉杖がありますしっ、 グラララ、こんな森の中でお前がそんなモンを使ったら、それこそ危ねェ。どれだけ俺がゆっくり歩いても俺の一歩はでけェからな、お前の事だ、どうせまた俺に合わせようと必死になるからなァ。 う、それは、その(ず、図星だから、何とも言えない・・・) グラララ!良いから大人しく俺の肩に乗ってろ。
requested by まめ様
よ、ようやく第二弾ができました!本当にとろとろとした更新で申し訳ないですっ。しかもこれまた若干長めになってしまって、さらに言えば、これは親父が世話、してるのか??ともう疑問甚だしいものになってしまいましたっ。 な、なんだか良いことなしなお話な気もしますが、か、書いてる本人の愛だけはっ(分かった分かった)
い、いつも通りなお互いの事を思い合ってる2人なお話となってしまいましたが、す、少しでも楽しんでいただければこれ幸いでございますっ!最後になりましたが、素敵なリクエストをありがとうございました!
よ、ようやく第二弾ができました!本当にとろとろとした更新で申し訳ないですっ。しかもこれまた若干長めになってしまって、さらに言えば、これは親父が世話、してるのか??ともう疑問甚だしいものになってしまいましたっ。 な、なんだか良いことなしなお話な気もしますが、か、書いてる本人の愛だけはっ(分かった分かった)
い、いつも通りなお互いの事を思い合ってる2人なお話となってしまいましたが、す、少しでも楽しんでいただければこれ幸いでございますっ!最後になりましたが、素敵なリクエストをありがとうございました!
title by Lump / 甘くとろける終わらない気持ち(愛5題)