「 ん、 じゅん、しょ、」
片腕で壁に押さえつけられたかと思えば、案の定俺が何かを言う前に准将の唇が俺のそれに襲いかかってきたのが、つい先程のことだ。胸元を押さえつけられて、さらに呼吸もろくにさせてくれないようなものだったから、息苦しさを覚えてなんとか彼のことを呼ぶのだけれど、聞こえないふりなのか、それとも単に無視を決め込んでいるのか、無言のまま、入り込んでいたざらりとしたそれに好きなように遊ばれてしまって、
「 ふ、 っん、」
急襲を受けながら、そんな事をしなくても逃げないのになあなんて事を考える。まあ、准将もそういうつもりで押さえている訳じゃないのだろうけれど。それから、今度は准将の腕へと俺の思考はふと向かった。准将の腕、また太くなったんじゃないだろうか。
「っう、 あ、 じゅ、准将、」
「・・・何を考えてた。」
俺の思考が口から別の所へ飛んでいた事にどうやら准将は気付いていたらしい。その太い腕で押さえつけられていた胸元をさらに強く押されてしまって、情けない声をあげてしまった。その間に准将の唇が離れて、少し不機嫌そうな色を覗かせながら言葉を放ってきたから、唇を塞がれ、さらには肺まで押さえられていた俺は、息を上がらせてしまいながらゆっくり答える。
「 准将の腕、また太くなったなあ、と思って。」
「てめェは変わらず貧弱そうな腕だな。」
「ひんじゃ、・・・貴方と比べたら、誰もそうなりますよ。」
「俺はそういう身体なんです、鍛えても太くならっ、」 赤いそれが、今度は俺の腕へと這って、強く吸われ、思わずまた情けない声が出そうになる。人が気にしている事を知っているのに、ストレートにそれを投げつけてきたものだから、今度は俺が不機嫌なそれを含めて出して言葉を返そうとした矢先に、この人は、
「・・・人が話してる途中で。」
「うるせェ、」
「んっ、 (・・・理不尽な、)」
恨めしく声を放てば、横暴な答えが返ってきて、その上また唇を塞がれてしまった。それから准将の腕が今度は、彼の言葉を借りれば、貧弱らしい俺の両手首を掴んで頭の上でぐっと固定してきて、両腕の自由も奪われてしまった。・・・それでも、その腕を振り払おうと努力すらもせず、されるがままになっているのは、俺の身体を押さえ込んで乱暴に動くその手の一方で、くしゃりと優しく俺の頭を撫でてくれるその手も知っているからで、
「 はっ、 ん、 ・・・ふく、濡れますよ、?」
「フン、今更何言ってやがる。」
「大体、てめェが風呂に入ってるのが悪いんだろうが。」 なんて、再び理不尽すぎる言葉を投げつけられてしまう。・・・人の家に侵入しておいて言う台詞なんだろうか、それは。いや、確かに昨日、「明日は早い。」なんて言われたから、俺の家へと来てくれる事は分かっていたけれど、それでも早めに夕食の準備を済ませて、まだ来ないだろうと思ってシャワーを浴びにいったのに。・・・いや、というよりも、「バスルームにいるって気づいたなら、」と、能力を使って鍵をかけたはずのドアをすり抜けただろうこの人へと言葉を紡ぐ。
「キッチンにあった夕食を温めなお、・・・いや、何でもないです。」
「・・・ずいぶんと失礼な部下じゃねェか。」
「 っあ、」
自分で言いながら、俺のいないうちに夕食を温め直しておいてくれる、なんてそんな気遣いのできる准将が全く想像できなくて、全てを彼に告げる前に諦めてしまう。それを感じ取ったらしい准将は額に青筋を浮かべながら、首筋へと歯を立てて対応してくる始末で。ちらりともう一方の彼の腕を見れば、案の定その部分は滲んで色が濃いそれへと変わってしまっていた。
「 っ、」
薄い皮に白い歯がくい込んで、同じ箇所を舌でなぶられる。その感覚に俺の身体は、本人の意志に反しておもしろいくらいに大きく反応して、事は准将の思うように進んでしまっていた。シャワーを浴びて上がった体温はすっかり冷えてしまっているはずなのに、准将の手が滑った部分は悔しいくらいに熱を持ってしまっていて、
「 、」
「っ、」
名前を呼ばれただけなのに、乗り気ではなかったはずの俺の身体はいつの間にかさらに妙な熱を持ち始めてしまうのだから、熱に浮かされた俺は、 服を申し訳程度に掴んでいた俺の指は、結局、
「 気が向いたら、俺が温め直してやる。」
「・・・気が向いたら、よろしくお願いしますよ。」
波紋に飛び込む
いつものように彼の背中へと回ってしまうのでした。
requested by 匿名さま
スモーカーのうっかり!!というわけで・・・あ、あの、すみません、本当に妄想の進むがままに書いてしまいましたっ。
あの太い腕に抱かれてェ!!・・・という私の阿呆な妄想が根本を貫いてる夢です(笑) い、いかんせん、スモーカー単独でお話を書くのが初めてだったものですから、
初めて書くぞ!ふふう!という勢いとノリだけで書いてしまい、彼の口調があやしいですっ、申し訳ありませんっ。しかしながら愛だけはっ(はいはい)
本当にもう私だけが楽しい小説となってしまいましたが、す、少しでも楽しんでいただけましたらこれ幸いです。素敵なリクエストをありがとうございました!