「ん? あれは、とちみっこ少年達じゃ・・・って、ええ、」
夕食の買い物へとスーパーに足を向けたその帰り、前方を見やるとそこに見知ったその姿が俺の視界に映ってきて。の家に住み着いた・・・というか、が住み着かせた?そのちみっこわんこ少年達を両腕に抱きかかえていると、その両腕にひっついて離れないその少年達が一緒に散歩をしている姿ならその光景に見慣れてしまう程には見たことがある。他人から見たらいつもと変わらない表情に見えるも、こいつらと一緒に何かする時はえらく上機嫌であるのも何度も見た・・・見たことはあるんだが、
「ったくよお、どこに目ェ付けてんだ?」
「(・・・何やってんだよ、アイツは。)」
あからさまにガラの悪そうな奴ら達に絡まれる彼らを見るのは、当然のことながら初めてな訳で。あいつらに向かって振りそうになっていた手は行き場を無くして、力なく腕を降ろす。助けるか?なんて、最初は思ったりもしたが、面倒な事この上なかったから、その考えはあっさり横溝に捨てる事にした。というか、たぶん、いや、絶対、俺が助けなくとも、
「・・・どこって、君達と同じ所にあるだろう?君達の目こそ、どこかおかっ、」
「(・・・相手を煽ってどうすんだよ。)」
言いかけたそんな言葉は、両腕に抱えられていた2人がの口元を押さえる事によって、どうにか相手に届く前にの喉の奥へと消す事ができたようで。あいつ、他人に関しては思った事を口にしちまう事がよくあるからな・・・けれど、そんな少年達の努力の甲斐も虚しく、はその少年達の行動を早く散歩を再開したいと解釈してしまったらしい、「・・・すまない、この人たちが変な因縁を付けてくるから、」なんて、馬鹿正直に言っちまって(・・・あの、アホ、)
「あァ?変な因縁だァ?おい、兄ちゃん、あんま調子こくと、痛い目に、っ!?」
「あ、こら、ゾロ、スモーカー。」
ボキ、と何やら嫌な音を鳴らしながらの方へと近寄る奴らは、それはもう悪そうな顔をしていて。けれど、それでもは表情1つ変える事無く(いや、俺から見たら迷惑極まりなさそうな顔してるけど、)相手を見上げてるのだから、ほんと、ある意味、あいつは尊敬できるヤツである、うん。
そんな事を思っていれば、やはりと言うべきか、そんな様子に見かねたらしいちみっこ少年達が、ひょいっとの腕から飛び降りて、身軽なその体で地面に着地を決めたかと、思うや否や、そのちみっこな身体が、瞬く間に、よりも大きな姿へと、変化して、
「ったく、正直に言い過ぎなんだよ、お前。」
「・・・で、誰が痛い目に遭うだと?」
「・・・え、な、ど、どこからこいつらっ、」
・・・まあ、そりゃ、いきなりちみっこだったヤツがでかくなりゃそんな反応するわな。そんな光景を見慣れてしまっていた俺はそんな事を思いながら、やたらと身長が伸び、下手すりゃ因縁つけて来た奴らよりも悪そうな顔に見えかねないその2人へと視線を向ける。わしゃわしゃとの頭を撫でるその姿を見ると、どっちが主人だか分からないくらいだ。(そしてその主人も心なしか撫でられて嬉しそうに見えるのが、また、)
「・・・悪いが、一応これでも俺たちの主人なんでな、」
「なっ、何だよっ!やろうってのかっ!?」
「なんだ、まだやる気があったのか?」
「まあ、どうであろうと、こいつに手出しなんざしようもんなら、ただじゃ済まさねェが。」 首の骨を鳴らしながら、そんな事を言ったのは、奴らの方ではなく、ちみっこの片割れである、白い毛をもった少年の方で。そして、言うまでもなく、もう一匹の緑頭の少年も、臨戦態勢は万全に整っていた。
「さァ、どうする?」
番犬よろしく、を守るようにして自分達の目の前に立つ、彼らのそんな姿を見て、そんな言葉聞いて、兄ちゃん達は、直感的に少年達には勝てないと漸く悟ったらしく、じりじりと、数歩後ろに下がったかと思ったら、「つ、次ぶつかったら容赦しねェからな!」なんてお決まりのような言葉を吐いていって、そそくさとその場から逃げ出していってしまった。奴らの方へと少しだけ視線をやってから、再び達のいる方へと視線を戻すと、もう既に、2人はちみっこの姿へと、最初にいた、のその腕の中へと戻っていて、
「2人がいると助かる。」
「・・・頼りない主人だから、自然とこうなるんだ。」
「いくら護身術知ってるからって限度があるだろうが。」
「そうだな、次からは気をつける。」
「・・・何回目だ、その言葉。」 呆れつつ深々と息を吐き出すちみっこ達に同感を覚えてしまったのは、一応、叱られていると言うのに、二人を抱え直したの顔が、(・・・他人でも、ちょっとだけ違いが分かるくらいに、)何とも嬉しそうなそれをしていたからで。まあ、そんな珍しいの表情を見たら、何も言えなくなってしまうのも、分かる気がするけど。
「・・・一人でそんな事すんじゃねえぞ。」
「ああ、もちろん。承知している。」
「そうだ、今日の晩は何が良い?そういえば、まだ決めてなかった。」 一応でなくとも、少なからず危ない目に遭っていた張本人であるはずのは、けれど嬉しそうにまた暢気な事を二人を抱え直しながら口にした。そして、この面倒事が終わった後で、彼らに一言声でもかけようかと思っていたのに、それをしないまま、三人を見送ってしまったのは、
「の作るモンなら何でも良い。」
「同感だな。」
「そう言ってくれるのは有り難いが・・・」
「ううむ、何にするか。」 空を仰ぎながら考えるを余所に、やはり抱えられた二人にも笑みが浮かべられていて、とてもそこに入り込める余地なんてないように思えたから。というか、そんな結局お互いに甘い彼らの中に入り込んだら、俺も、そんな事になってしまうかもしれないなんて思ったから、
「・・・帰るか。」
重くなっていた腰を漸く持ち上げて、いつの間にやら、緩んだ顔をそのままに、俺は達とは別の方向にある帰路へと着いた。(あーあ、何やってんだか、俺。)
かいぬしのへんかにびんかんです
まあ、何だかんだ言って、その飼い主もちみっこ少年達の変化に敏感だけど。
な、長ったらしい乱文の上に、り、リクエストに沿っているのかどうかすら怪しいものに・・・!す、すみませんっ。
す、素敵なリクエストをありがとうございました!書いとる本人はとても楽しかったですっ!(それじゃ駄目です)
requested by taka様
title by リライト / かいぬしのへんかにびんかんです(「珍獣の飼い方10の基本」)