「え、ちょっと、ナミっ!!」
「早くするのよー!」
「ね、、お風呂掃除してくれない?」 なんてナミに言われて、特にすることもなかった私はそれに何を疑問に思うわけでもなく頷いてしまって。浮かんでいる笑みが何だかおかしいと気付いた時にはすでに遅くて、腕を引っ張られあれよあれよと言う間にお風呂場へと連れて行かれ、デッキブラシを持たされていて、・・・ついでに言うと、隣にはゾロがいて。(いや、実はこれが一番重要だったりするのだけれど。)
「え、えーと、な、ナミに怒られる前に早くやっちゃおっか!」
「・・・そうだな。」
何故だか妙にうわずる声で彼に言葉を紡ぐと、ゾロからそう短い返事が返ってきた。それから、私とゾロのお風呂掃除が始まった訳で。ゆるゆるとデッキブラシを動かしながら、「ゾロはなんでお掃除引き受けたの?」と言葉をかければ、「・・・理不尽な理由だ。」なんて隠しもせずそう言ってくるから、思わず苦笑してしまう。
「ふふ、まあ偶には良いじゃない?」
「・・・あいつの“偶には”ほど怖いモンはねェがな。」
「もう、そんな事言ってると、またナミに頼まれるよ?」
ゴシゴシとデッキブラシの音と一緒にそんな会話を続けながら、磨き始めて結構な時間が経ち、気付けば床全体が泡だらけになっていた。「そろそろ水で流そっか。」ゾロにそう声を掛けてデッキブラシを置いてシャワーで流し始めたそんな時、泡で見えなかった石鹸が私の足の側にあったようで、
「う、わっ!!」
「 、っ!」
案の定、私はそれを回避することなく見事に踏んづけてしまい、つるっと足を滑らせ、受け身も取る余裕がなく、そのまま軽やかに背中から床へとダイビングを決め込むしか道がないと本能で悟った私は衝撃に耐えようと、無意識に目を瞑ってしまった・・・のだけれど、 思っていたよりも衝撃がこなくて、そんな衝撃の代わりに背中と後頭部には、自分とは違う体温が感じられて。・・・ついでに言うと、違う体温なんて、このお風呂場には私以外に1人しかいないわけで。
「・・・お前は期待を裏切らねェな。」
「あー、ありがとう?」
「褒めてるわけねェだろ。」
「・・・すみませんでした。」
言葉と一緒にため息をつくゾロに、私はどうやら助けられたようで。普通なら頭にたんこぶができるくらいの勢いですっ転んだはずなのに、後頭部にはたんこぶができた様子もなかった。目を開けてみれば、そこには助けてくれたゾロがいて、あーゾロってやっぱ力あるんだなあ、なんて、側にある腕を見ながら今更ながらに思いつつ、彼にお礼を言おうと口を開こうとしたのは、良いのだけれど。(・・・んん?ゾロの腕が真横にあって、ゾロの顔が目の前に??)
「ぞ、ゾロっ!!?」
「っ、何だよ、側で大声で叫ぶな。」
「ご、ごめん。 ・・・いやいやいや、今はそんな事言ってる場合じゃっ。 と、とりあえず、お礼を言うからその場を退いてくれませんかっ!!」
「・・・別に、このままでも礼は言えるだろ。」
「ええェっ?!ちょっと、ゾロ君、頭大丈夫っ!?」
「・・・少なくともお前よりは大丈夫だ。」
この体勢・・・つまり、端から見れば私がゾロに押し倒されているような体勢に、あたふたしている私を余所に、何故だかゾロは妙に冷静で。顔に熱が集中していくのを嫌に感じながら彼に言葉を返すのだけれど、ゾロからは私が期待している言葉が一向に返ってこなくて。「あー、えっと、ですね、その・・・」なんてしどろもどろにどうにかこの体勢から脱しようとゾロに紡ぐ言葉を探すのだけれど、頭が沸騰している所為か、なかなか言葉が出てこなくて、
「・・・期待、して良いのか?」
「へ?? ちょ、ちょっとゾロ?さっきより顔が、」
「怪我はねェのか?」
「あ、うん、それはゾロのおかげで大丈夫、だけっ、」
動けない私を良い事にゆるりと先程よりも顔を近づけてきたゾロに、私はさらに顔を赤くしてしまって、反らせばまだ軽減できるのに、その目から視線を外す事ができなくて。そのおかげか何なのか、ゾロの顔に何やらえらく楽しそうな、嬉しそうな笑みが浮かべられたのを私の視界は捉えた、 瞬間に、そのままゾロの顔が、私の方へと、降りてきて、(・・・ん??)
「えーと、ゾロ、君??」
「・・・据え膳、だろ?」
そう言ったゾロは、また私の方へと顔を下ろしてきたのだけれど、あの、どれに突っ込んでいいのか分からないけれど、とりあえず・・・順番、違えていませんでしょうか、ゾロ君???
動いた後から考える
っんのエロマリモっ!!ちゃんの、ちゃんの麗しい唇をっ!!! わーわー!落ち着けサンジッ!!今俺らは出歯亀中だろっ!! あーもうっ!やっとくっついたわっ!!ったく焦れったいったらありゃしないっ!! ふふっ、良いじゃない。それも面白かったわよ?
素敵なリクエストをありがとうございました!
requested by 梓様
title by 赤小灰蝶 / 動いた後から考える
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