真夜中まで続いた宴、別に宴自体が嫌いというわけではないけれど、飲み過ぎると大変なことになると自覚はしているつもりだったから(以前、酒を飲み過ぎて・・・ひどく後悔した)(記憶がある分、ロー船長の笑みの意味が理解できてしまったのが余計とあれだったのが、もう)飲み過ぎる前に止めようと、未だに楽しんでいるみんなに一言言ってもう寝てしまおうと部屋へと戻ったのだ。


「ロー船長、」
「何だ、?」


けれど、そんな俺の計画は目の前で至極楽しそうに笑みを浮かべている船長の所為で無惨にも散っていくなんて事が容易に想像できてしまって。嫌な予感しかしない中、一応何をしているのかと彼の名前を呼べば、それは俺の台詞なのではないだろうかというような言葉が彼から返ってきて。


「・・・何してるんですか、」
「何って   夜這い、だが?」
「・・・聞いた俺が馬鹿でした。」


天井とロー船長しか視界に入ってくれない中で天井ではない方に視線を合わせながらそんな事を聞けば、他に何があるんだと言わんばかりの顔でとんでもない爆弾を普通にさらっと投下してきた我らが船長。行動もそうだが、言葉ももう少しくらい控えても良いんじゃないだろうかと思うのだけれど、それを言ったって聞きやしないのなんてずいぶん前に承知済みであるのだけれど。


「夜這いなんて普通に言いのける人、船長以外いませんよ。」
「フフ、じゃあ何だ?お前を喰らいに来た、とでも言えば良かったか?」
「・・・意味は同じじゃないですか。」


「目的は変わらねェんだ。当たり前だろう?」 俺に覆いかぶさったままの状態でそんな言葉を返してくる船長は、いつものように、止める気なんてさらさらないようで。俺の顔のすぐそばに両肘を突いてお互いの吐き出す息すらも伝わってくるような距離まで近づいて来たと思えば、それを俺が認識すると同時くらいに、彼の唇が俺のそれへと落とされてきて。


「   ふ、」


俺の唇へと噛みついてきたこの人は、これもずいぶんと前から知っていたことだけれど、どうやら限度、というものを知らないようで。とてもじゃないけれど、軽いなんて冗談でも言えないようなその喰らいつきに思わず俺は息と同時に喉を震わせてしまって。やってしまった、なんて思う時にはもう既に遅すぎる事が大抵であって。


「フフ、もう限界か?」


嬉しそうというか楽しそうというか、まあどちらにしたって俺にとっては良いことではないのだろうけど、距離はそのままに口の端を上げて俺の首筋をゆるりと撫で上げながら不満そうな言葉を放ってくるロー船長。言葉と浮かんでいる表情が矛盾していることくらい自分でも分かっているだろうに、彼はその表情を止めないままでいるのは、次に俺がとる行動を彼は知っているからで。


「   まさか、」


「これで限界なんてこと言っていたら、船長の部下なんて務まりませんよ。」 彼の挑発に乗るかのようにそんな言葉を放った俺は今度は自分の方から自らの唇を彼のそれへと重ねていって。そんな俺の行動を予期していたかの如く、船長は俺のそれを絡めとるかのように、さらに深めて、沈みこませていくのであった。(結局俺も船長の事をとやかく言えないのだ)(冗談ですら拒むことをせずに、こうして彼に乗っかってしまうのだから)

理性と戦って

「フフ、俺の部下は船長想いで泣けてくるな。」なんてそんな事を言いながら首筋に一つ、唇を落としてくるのだ



素敵なリクエストをありがとうございました!
requested by 朔夜様


title by 赤小灰蝶 / 理性と戦って